こんにちは。ぺこです。
ぺこについて
・令和2年度 一級建築士学科試験 合格🌸
・令和3年度 一級建築士製図試験 合格🌸
・学科、製図ともS学院に通学
今回は誰もが一度は悩むであろう、エスキスをまとめる方法について解説します!
講師に「とにかく決めて進めるんだよ!」と言われたことないですか?
私はエスキスが思うようにできなかった頃、「そんなこと分かってるけど決められないんだよ!」といつも心の中で思っていました(笑)
けど、できるようになって分かります。
本当にとにかく決めるだけだと。
では実際にどうやれば決まるのか?
エスキス時に大切なポイントをわかりやすく解説します!
粗から密へ
プランニングは大きな塊から考えて、徐々に細かく検討していくことが鉄則です。
多くの人がまず部屋から配置しようとします。
細かい部分から考えてしまうと、全体の構成が崩れやすくなってしまいます。
なのでまずはいきなり部屋を入れようとしないでください。
ここらへんかな〜という大雑把な感覚で◯◯部門と入れてみるだけ!
置き方も感覚で置くのではなく、ヒントを探して言われた通りに置くだけです。
敷地の周辺状況を把握する
まずはここから!
周辺状況の把握が合否を決めると言っても過言ではありません。
建物の顔向きを決める大事な準備です。
「主に確認してほしい項目」と「考えられる要素」はこちら!
周辺建物の階数 | 高層だと日影の影響があるので離して計画 |
駅 | 駅方向への人の行き来が多い道に向けて主出入口を計画 |
商店街 | 人通りが多いので主出入口を向ける |
河川 | 景色が良い方向を建物の長手方向とする |
横断歩道 | 歩行者のアプローチがしやすいので主出入口を向ける |
公共駐車場 | 職員が利用するなら管理ゾーンは公共駐車場側 景観的に×なので管理ゾーンは公共駐車場側 |
周囲に集合住宅 | プライバシーに配慮して大開口のある部屋を近くに配置しない |
隣地、北側 道路斜線 | 斜線を大きく受ける部分にはテラスや駐車場がきやすい |
道 | 2面道路なら管理ゾーンのアプローチはサブ道路から 歩道のある道路は歩行者がアプローチしやすいので主出入口を向ける |
これらはあくまでも考えられる要素なので、絶対ではありません。
「商店街があるから絶対にメインの入口は商店街側だ!」と決めつけるのは危険です。
いろんな要素を確認した上で判断するということは忘れないでくださいね。
動線を見極める
周辺状況を把握したあとは、アプローチ方向を探ります。
利用者・管理者アプローチの考え方はこんな感じです。
利用者アプローチ:横断歩道、歩道付き道路、幅員の広い道路、駅、商店街
管理者アプローチ:幅員のせまい道路、周辺条件の悪い方向
外部施設はしっかり検討
外部施設とは、「多台数駐車場」「広場」「テラス」などのことを言います。
建築士試験ではたまに「◯mの円が1つ入る大きさ」と指定されることがあり、これがかなり厄介です。
◯mピッタリのアキしかとらなかった場合、柱型が出っぱるので実際には◯m取れないことになってしまいます。
この場合は+1m見込んでおいた計画が必要です。
アキ寸法は最初の段階で検討しておかないと、後で入れようとするのはほぼ不可能です。
アキ寸法次第で建物の外形(ウツワ)が決まってきます。
外部施設はヘリアキ寸法も含めて最初のうちに確実に検討しておいてくださいね!
建物の正面を導き出す
建物の正面(顔向き)を決めるには4つの要素に注目します。
①方位
②接道
③周辺建物
④アプローチ動線
⑤周辺環境の評価
この要素は試験元が重要視している部分かつ、多数派図面に入るための非常に重要なポイントです。
チェックの仕方はカンタン!
①から⑤まで順番にチェックするだけです。
実際に私が行っていたチェックがこちら。
チェックが終わったら配置図を俯瞰してみてください。
おのずと条件のいい方角と条件指定のある室を置くべき場所が見えてくるはずです。
それだけで「表」と「裏」が簡単に導き出せます。
こうやって可視化することで感覚的な選定ではなく、
論理的に判断できるので自信をもって前に進めますよね。
断面を必ずイメージする
課題文にはたくさんの条件が書かれており、頭の中でそれらを整理してパズルを組み立てるのはほぼ不可能に近いです。
だからこそ、必ず断面イメージ図を書いてください。
書いてほしい内容はこちら。
- 外部からの出入りがある部屋
- 階指定のある部屋
- 高さ指定のある部屋
- 広場
- テラス
- 庭園
- エレベーター
絵にしてみるとこうなります。
これなら課題文を読み直さなくとも一発で条件がわかりますよね。
また、自分で整理して書いたものなので記憶にも残りやすくなります。
(これが一番のメリットです)
大空間は条件の良い場所に整形で配置
製図試験での大空間は100%
「建物の4隅のどこか」+「日当たりor景色のいい方向」+「整形」
で配置されます。
それさえ守ってしまえば複雑なプランになることはありません。
このセオリーを崩して大空間を建物の真ん中に配置したあかつきには
廊下形状がガタガタになります。
プランも相当苦労します。
多くの人が利用する部屋は南側や景色の良い方向に長辺を向ける
合否に直結するわけではありませんが、意識するとしないとでは
プランのまとまり方が大きく違ってきます。
まとまり具合によってはもしかしたらランクⅡで不合格になるかもしれません。
普段から意識することで勝ちやすい図面を書けるようにしておきましょう。
搬入動線ありは管理ゾーンの近くに計画
搬入動線がある部屋の場合は管理ゾーンと必ず隣接します。
隣接していないプランの場合はランクⅢです。
例外はありません!
搬入動線のない大空間は管理ゾーンから遠くに計画
搬入動線のない大空間は管理ゾーンから極力はなして、建物の四隅に配置することが多いです。
管理ゾーンから利用者ゾーンへの出入りは基本的にエントランスホールから行います。
そのときに大空間があるとエントランスホールを配置することが難しくなりますよね。
だからあえて遠いほうの端っこに配置します。
これは私がたくさん課題を解いてきたなかで見つけた統計になので「絶対」ではありません。
意識しすぎることもNGです。臨機応変に対応してくださいね。
テラスや大空間を置くときは残りスペースが極力整形になるようにする
大空間の配置は第一優先で決めていきます。
その際にはいくつか配置パターンをだして、残りスペースが整形になるパターンを選ぶのが鉄則です。
整形にする理由は残りスペースが整形だと廊下がまっすぐ通りやすいから!
廊下がまっすぐ=室配置がラク!
外部の大空間で多台数駐車場と広場がセットで指定された場合、
解答例は無駄な余白を作らないためにも整形で2つ横に並ぶことが多いです。
こうすることで建物形状もシンプルな整形になります♪
階段は極力離して計画
階段どうしを遠ざける理由は重複距離を短くするため!
最初から遠ざける意識を常に持って計画することが大切です。
ポイントとしては、平入りなら出入口のある長辺に2つ
妻入りならそれぞれの長辺に一つずつです。
絵で表すとこんな感じです。
廊下は先に通しておく
プランをするとき、資格学校では建物を1本の木に例えています。
枝(廊下)が先にできてから葉(部屋)ができる。
要するに、廊下をプランした後に部屋を置くということ。
廊下は避難経路という重要な役目を担っています。
シンプルな経路にするためにも先にきめていきましょう。
廊下を先に決めるとどこにどの大きさの部屋が入るのか浮かび上がってきて
部屋位置を決めやすいですよ♪
各部屋の形状は必ずシンプルになる
試験問題の部屋形状はほぼ100%四角形のシンプルな形になるように作られています。
(標準回答例はこんな形でもいけますよ〜の解答なのであえて複雑に作られていますが…)
だから頭をひねって無理やり入れようとしないでください。
部屋が入らない=ウツワが小さい or 階振りを間違えている
と捉えてください。
風除室の隣は利用者階段と事務室になりやすい
利用者が入館してからの動線を考えてみてください。
初めて訪れる人にもわかりやすい工夫をするとしたら、
階段やEVをエントランスホールから見えやすい位置に配置しませんか?
セキュリティを意識するなら入退館を確認しやすい風除室横に
事務室がある方が効率的ですよね。
風除室+階段+EV+事務室はセットで配置するようにすれば
プランニングもあまり悩まず進められます。
管理ゾーンの上は管理ゾーン
1階で管理ゾーンが決まると、2階から上も同じ位置に管理ゾーンが配置されます。
理由はカンタン。管理階段やEVが上まで通るから。
1/1000検討でゾーニングをするときはこの鉄則を守ってください。
まとめ
ここまでお話しした内容をまとめると、エスキスがまとまらない人の共通点は
外部条件が頭に入っていないことです。
外部条件から建物形状、顔向き、アプローチなど重要な要素が全て決まります。
また、部屋を配置していくヒントは全て課題文に書かれていると思ってください。
自分の感覚でここかな?と決める部屋はありません。
配置する根拠が必ずあります。
説明できないようならそこに置くのは間違いということです。
これまで説明したコツは資格学校で教えられたものもありますが、
ほとんどは経験する中で掴んだ感覚です。
知っておけば必ず活きてきますので是非とも覚えておいてください。
読んだけど、今はまったく意味がわからない方もいらっしゃると思います。
その時はこれからたくさんの課題をこなすうちにもう一度読み返してみてください。
この記事が少しでも皆さんのお力になれますように。
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